経絡とは...

東洋医学の概念である経絡とは、気血の通り道として考えられており、臓器と体表とを結んだ、全身に分布する線のことを表します。経絡には、体の臓器を相互に接続して環のように流れる正経十二経脈(12本)と、奇経に属する体の前正中線を流れる任脈(にんみゃく)と奇経に属する体の後正中線を流れる督脈(とくみゃく)を合わせた14本があり、全身に網目のごとく分布しています。

例えば、ある内臓に異常や不調があれば、経絡上の経穴(けいけつ)に反応が出ます。この場合、この経穴を刺激することにより、各臓器に刺激を伝えることができ、全身のバランスを調整することができます。一方、この逆の場合もあります。例えば、体表に外から人体を侵す邪気の侵入を受けると、経絡を通じて体の内側に変調を来たします。

経絡の中を流れているのは、気血というエネルギーです。この気血の巡りが良くなると、血行が促進されることや、免疫機能が改善されることにより、健康的な体を取り戻すことができます。つまり、気血の流れが良い、滞りの無い体を健康と言うことができます。

以上のように、経絡とは、生命活動を維持するためのエネルギーの通り道であり、体内における気血の循環のバランスを良くすることで、症状の改善や、病気の予防が可能となります。